馬券道場

2001年、新潟競馬場の馬場改修により日本で初めて芝1000ｍの直線コースが新設された。本競走は、中央競馬で唯一、芝1000ｍの直線コースを舞台に争われる３歳以上の別定・混合・指定の重賞競走『アイビスサマーダッシュ』として創設された。
本競走は、スプリンターズＳのステップレースの一つとして位置付けられており、創設時から地方馬のスプリンターズＳ出走候補馬（３頭以内）に出走資格が与えられていたが、2006年から地方馬の出走枠は２頭に変更となった。また、2005年から国際競走に指定され、外国馬は５頭まで出走可能となったが、2009年から出走枠が９頭に拡大された。
本競走の勝ち馬の中から、2004年のカルストンライトオが同年のスプリンターズＳに優勝、また2001年のメジロダーリングと2007年のサンアディユが同年のスプリンターズＳ２着に入っており、秋の短距離GI 戦線を占ううえでも見逃せない一戦と言えるだろう。
開催時期は、2001年から2005年まで８月の後半に行われていたが、2006年から夏の新潟開催の開幕週（７月中旬）に移設されるとともに、夏季競馬をさらに盛り上げるため設けられた『サマースプリントシリーズ』の第３戦に指定されている（2011年までは第２戦として開催）。本競走の優勝馬の中から、2007年のサンアディユ、2008年・2009年のカノヤザクラ、そして2011年のエーシンヴァーゴウが同シリーズのチャンピオンの座を獲得した。
競走名の『アイビス（Ibis）』は、英語で「トキ」のことを指す。トキは、コウノトリ目トキ科の鳥の一種。新潟県の県鳥で国の特別天然記念物に指定されており、新潟競馬場の『アイビススタンド』の名称にも使用されている。

①牝馬が圧倒的

過去10年の優勝馬延べ10頭中、2002年と2004年のカルストンライトオ（牡馬）を除く延べ８頭は「牝馬」だった。また、「牝馬」の好走率は「牡馬・せん馬」のそれを大きく上回っている。“夏は牝馬”と言われるとおり、まずは牝馬に注目してみたい。

②前走6着以下で上位人気は危険

過去10年の３着以内馬30頭中23頭は、前走で「５着以内」に好走していた馬だった。一方、前走で「６着以下」の馬は３着内率7.9％と苦戦している。前走内容がいまひとつだった馬は割り引きが必要だろう。また、単勝５番人気以内だった馬に限定した前走の着順別成績を見ると、前走が「６着以下」だった馬は2009年１着のカノヤザクラ（前走11着）を除いて、すべて４着以下に敗れていた。前評判の高い馬でも、前走で「６着以下」に敗れていた馬は苦戦する傾向が強いようだ。