ライン

☆馬券道場☆【用語集!!】

ライン

ふ行

ファミリー・ナンバー

オーストラリア人のブルース・ロウが19世紀の終わり頃、それ以前におけるイギリスのダービー、オークス、セントレジャーの勝ち馬について、その母系をイギリスの血統書の第1巻までたどり、勝ち馬を多く出した母系の順に第1番から43番までの番号をつけた。これがファミリー・ナンバーで、血統表の一番下の右端に普通かっこ内に入れ、それを示している。その後アメリカ、オーストラリア、アルゼンチンなどの大レースを勝ちながら前記の順番までのファミリーに含まれないものも出てきたので、この番号は更に追加されている。作られた当時は番号の若い者ほど優秀とされていたが、現在では若いナンバーが上級ファミリーといえないことは常識となっており、母系を整理、分類する際の索引番号として便利なため、そのまま使用されている。

付加賞(ふかしょう)

特別登録料の総額を、1着から3着の馬に対し7:2:1の割合で配分した賞金。中央競馬の特別競走は定められた登録料を徴収する、つまりステークス制になっていることで発生する賞金のことである。地方競馬にはこの制度はない。

複勝(ふくしょう)

複勝式勝ち馬投票券のことで、出走頭数が5頭から7頭立ての競馬では2着まで、8頭立て以上では3着までを勝ち馬として払い戻しされる馬券。配当は低くなるが的中率が高いため固定のファンもいる。なお、4頭以下のレースではこの複勝は発売されない。

服色(ふくしょく)

レースの時騎手が着用する服(勝負服)の色(模様を含む)のこと。色は規定内の13色、表示(デザイン)は輪、一文字、帯、山形(山形、ひし山形、のこぎり歯形の輪または帯)、たすき、縦じま、格子じま、元禄、ダイヤモンド、うろこ、かすり(井桁絣)、玉あられ、星ちらし、銭形ちらし等で、一般に4色以上の使用は認められていない。馬主は服色を登録して自分の服色で持ち馬を出走させている。また地方競馬においては騎手が各自服色を決めており、自分の服色の勝負服でレースに臨んでいるが、ホッカイドウ競馬の一部のレースに限り、馬主服での出走が認められている。

ふくれる

コーナーを回るときコースなりに回れず、外側に飛んでいくこと。手前を替えられないことや気性の悪さなどが原因でふくれることが多いが、距離損が大きくレース中の不利のひとつになる。

フケ

牝馬が発情することをいう。神経質な馬はフケにはいると競走能力が低下するといわれているが、かなり個体差はあるようだ。春先から夏にかけてがフケのシーズンで、普通は3週間おきに5、6日間続く。フケの期間が長かったり、冬に発情したりする場合“だらぶけ”といっている。

負担重量(ふたんじゅうりょう)

競走馬の背負う重量のことで、騎手の体重、鞍、鞍下の毛布、鉛などの装具(ヘルメット、ステッキは除く)まで含む。負担重量は馬の年齢と性別によって規定されている馬齢重量、ハンデキャップ委員がどの馬にも勝つチャンスを与えるように決めたハンデキャップ重量、馬の年齢、性、収得賞金の額、勝利度数その他競馬番組で定める条件により算出する別定重量などがある。

ぶち毛

馬の毛色の種類で、体に大きな白斑のあるものをいう。原毛色により、栗ぶち毛、鹿ぶち毛などと呼ぶ。また、白色部が有色部より多い場合はぶち栗毛、ぶち鹿毛といっている。わが国ではポニーなどに見られる毛色である。

ブックメーカー

勝ち馬投票方式にはパリミューチュエル方式とブックメーキング方式がある。パリミューチュエル方式はわが国やアメリカで行われている馬券の発売方法で、一定機関が不特定多数の客に売り、定められた比率で控除した残金を配分(払い戻し)する。一方のブックメーキング方式はイギリスの競馬などで見られるもので、ブックメーカー(公認馬券取扱業者)と客との間で決められたオッズ(賭け率)に応じて配当(払戻金)を受け取る方法。したがって、各馬のオッズはブックメーカーによって一致するとは限らないし、最新の情報などによって刻々変動することもあるが、客は買った時点のオッズによって払い戻しを受ける。ブックメーカーが営業の対象とする賭は競馬だけでなく、サッカー、テニス等スポーツはもちろん、ミスコンテストなど結果が明らかとなる社会現象まで多岐にわたる。

ふなゆすり

馬の癖のひとつ熊癖(ゆうへき)のこと。馬房の中で前肢を開き、左右交互に体重をかけ、間断なく体をゆする癖。熊がおりの中で体を左右にゆすっている状態に似ていることから、また舟をこぐ様に似ていることからこの俗称がある。前肢の腱に悪い影響を与えるおそれがあり、嫌われることも多い。

踏み込み(ふみこみ)

パドック解説などで「この馬は踏み込みが……」とよく使われる言葉で、後肢の歩幅のこと。前肢が踏んだ跡より前に後肢が着地するようなとき踏み込みが良いといわれ、調子を判断する上でのひとつの目安になっている。

冬毛(ふゆげ)

体毛の中で被毛といわれる全身に密生している短くて細い毛は、秋から冬にかけて長くなり光沢を失い春になって脱落する。これが冬毛であり、毛が脱け換わることを換毛という。馬の場合年2回の脱換が普通で、夏毛は年間を通じて適宜更新するが、冬毛は秋から冬にかけて生え、陽春から晩春にかけて脱け換わる。被毛の脱換の遅速は健康状態と密接な関係にあり、同一の馬でも一様に脱け換わるわけでない。栄養が良く健康な馬は脱け換わりも早い。

ブリンカー

遮眼革といわれるもので、前の方しか見えないように作られた装具。競走中に物見をしたりして気を抜く馬に使用する(遮眼革の項参照)。ブリンカーを着けて出走する馬は出馬登録の際、騎手などとともに併記することになっている。本紙ではブリンカーを装着する馬には予想欄に「B」と記している。また、はじめてブリンカーを着けるときにはこの「B」の文字が太字になり、ひと目で分かるようになっている。また、ブリンカーを着けて走ったレースの成績欄では、斤量の後に「B」と記している。ブリンカーを着けたり外したりすることで成績に影響する馬も多い。

フリー騎手

通常、騎手は特定の調教師と騎乗契約(契約期間、給与、進上金など)を結んでいる。この騎乗契約を結んでいない騎手をフリー騎手という。契約騎手の場合は特定厩舎の専属騎手となりその厩舎の馬に騎乗する機会が与えられるが、その厩舎の調教騎乗要員にもなっている。フリー騎手はレースでの騎乗はもちろんのこと、調教の騎乗も個別に約束を交わし騎乗する。

フリーハンデ

競走馬の格付けのため距離、競走日時、場所など具体的な競走条件に関係なく定められたハンデキャップのこと。競走馬の能力の物差しのひとつとして一般に利用されている。英国はじめ諸外国でも採用されている制度で、現在は欧州、北米、アジア、オセアニアを対象とした「ワールドサラブレッドレースホースランキング」に発展。JRAでは毎年1月に前年度の成績に基づいたJPNランキングを発表している。本誌では評論家の山野浩一氏を中心にしたスタッフで地方馬、日本で出走した外国馬を含む全日本フリーハンデとして上半期分を7月に、年度分を1月に2歳、3歳、古馬などに分けて毎年発表している。

ブルードメアサイアー

母馬の父のこと。ブルードメアは繁殖牝馬、サイアーは種牡馬のこと。たとえば、平成21年のオークス馬ブエナビスタの母はビワハイジで、その父カーリアンがブエナビスタのブルードメアサイアーということになる。体形や性格など父からの影響が大きいのは当然だが、このブルードメアサイアーからの影響を受け継ぐこともあり、馬の資質を探る上で重要視される。

フレグモーネ

皮下結合組織の少ない部分に発した急性の化膿症である。化膿を起こす細菌は外傷したところから入ることが多いが、外傷がなくても毛孔から感染を起こすこともある。病勢のテンポはごく速く、一夜のうちに肢が腫れあがってしまうこともある。手当の時機を失すると、いろいろな病気を併発し、競走馬として走れなくなることもあり、早期発見、早期治療が肝心である。

分割レース

競走の分割については一般事項の6の2に定められており、要約すると―。競走の取りやめがあり、かつ、一般競走で出馬投票の結果、その競走の条件より下級条件馬を含めないで16頭以上の申し込み馬があった場合、1日の競走数が12を超えない範囲内で、申し込み頭数の最も多い1競走を2競走に分割して行う。ただし、同一条件の競走(特別競走を含む)が2つ以上あって、そのいずれかの競走に申し込み馬が7頭以下のときは分割はしない。また、申し込み頭数が同数である競走が2つ以上ある時はその優先順位が決められている。  この他にも申し込み馬に不適当な馬がいないかどうか獣医が診断するとか、交替騎手の取り扱い、分割の方法などが定められている。また最後の条項には競走の分割は、実施の結果を考慮して随時廃止することがある。と規定されている。