ライン

☆馬券道場☆【用語集!!】

ライン

て行

蹄叉腐爛(ていさふらん)

蹄叉の角質が腐って、その中溝や測溝に悪臭のある汚物、汚汁のあるものをいう。この病気がひどくなると跛行したり他の蹄病の誘因となる。原因は厩舎や放牧場の不潔、蹄の手入れ不足などであり、注意していれば予防できる病気。

蹄鉄(ていてつ)

馬の蹄(蹄負面)に打ち付ける金属で作製したものを言い、かつては、調教用と競走用とに区分され、調教時には鉄および軽合金材から造られた蹄鉄を使用し、競走時には、競走ニウム蹄鉄といわれる競走専用蹄鉄に打替(交換)されていたが、打替を頻繁に行うと蹄が傷むなどの不利があった。そこで、調教時および競走時の両方に使用できる兼用蹄鉄が開発された。これは、アルミニウム合金材から造られ競走前後の打替を必要としない。現在ではほぼ100%の競走馬が使用している。蹄鉄をつけたり、取り替えたりする人のことを装蹄師と言う。

蹄葉炎(ていようえん)

肢に故障を発症し動けない状態で、他の肢で長時間負重し続けると蹄の内部の血液循環が阻害され、蹄の内部に炎症を起こし激しい疼痛を伴う病気。馬は奇蹄類(蹄が一つ)であるため病勢の進行を止めることは難しく、予後不良になるケースも多い。

DDSP(軟口蓋の背方変位)

喉頭口前方にある軟口蓋が喉頭口付近に変位することにより、呼吸を阻害する病気。呼吸時に軟口蓋が揺れることにより「ゼロゼロ」や「ゴロゴロ」などの異常音を発することが多く、喉頭片麻痺(一般的にいわれる喘鳴症)と同様に、呼吸困難などの症状を引き起こす。幼少時に発病することが多いが、ほとんどの場合、成長とともに治まるのが喉頭片麻痺と大きく異なるところ。舌を括ったり、コーネルカラー(レースでは使用不可)という馬具を装着することにより、呼吸困難などの症状は抑制できるケースがある。

手がわり

レースにおいて、それまで乗っていた騎手から他の騎手に替わることで、乗り替わりともいう。本紙では乗り替わり騎手は一目でわかるように騎手名を太字で表記している。また、担当厩務員が替わることを指すこともある。

テキ

競馬の社会だけで使われている用語で、騎手や厩務員などが自分の厩舎の調教師のことをいう言葉。昔は騎手が調教師を兼ねていたため、騎手(キテ)の逆さ言葉からできたといわれている。今でも「うちのテキが……」などとさかんに使われている。

デキ

馬の仕上がり具合のことで「デキている」「まだデキてない」「いいデキだ」などと使われるように外見的な馬の造りで、仕上がっているかどうかを表す言葉。また、「以前のデキにない」などと馬の状態そのものを表すこともある。

出っぱ

発馬のことで「出ッパが悪い」といえばゲートの出の遅い馬や、二の脚のつかない馬のことで、逆に素早く飛び出す馬を「出ッパがいい」という。

鉄砲(てっぽう)

鉄砲使いともいうが、長い間故障などで休養していた馬を出走させること。休養明けの出走にもかかわらず好成績を上げる馬を“鉄砲が利く”という。休養明けの馬の仕上げが特に巧く、こうした使い方で成績を上げる厩舎(調教師)を「鉄砲使いが巧い先生」などという。また、鉄砲の利く馬を“ポン駆けする”ともいうし、鉄砲使いのことを“ポン使い”ということもある。

手の内に入れる

騎手がその馬に乗り慣れて、馬の性格や脚質を熟知し、自由自在に御すことができるようになることをいう。手の内に入れた馬を“お手馬”といい、「お手馬手綱いらず」という言葉もある。

手前(てまえ)

馬が走る場合、左右どちらの脚を前に出して走るか、左脚を前にするとき「左手前」といい、逆に右脚を前に出すのが「右手前」である。先天的に右利き、左利きという馬もいるが、普通競走馬はどちらを前にしても走れるし、コーナーでは手前を替える馬が多い。不器用な馬や、四肢のいずれかに故障を持っている馬など手前を替えられず、コーナーを回るときにスムーズさを欠くこともある。

出(で)ムチ

スタート直後からムチを使うことで、「出ムチをくれる」という使い方をする。ダッシュの鈍い馬や、どうしても逃げたいときなどに気合をつけるために行う。

出目(でめ)

連勝式馬券における組み合わせの番号(数字)のことを“目”といっており、どんな目が出るかを出目という。枠番連勝なら1-1から8-8までだし、馬番連勝だと1-2から17-18までの数字ということになる。今日はどの目がよく出ているなど出目で馬券を買うファンもいる。

テレビ馬

クラシックレースなどの大レースで明らかに力不足と思われる馬でも、出走した以上はテレビに映ろうということで強引に前に出て戦う馬のこと。普段はハナを切ることなどない馬でも前半飛ばすだけ飛ばしてハナに立ったりする。ただ、最近はほとんど見かけなくなっている。

テン

「テンが速い」とか、「テンから追う」というように、よく使われる競馬用語で、最初という意味合いを持つ。使い方はいろいろあって、テン乗りといえば初めてその馬に乗ることだし、テンの3ハロンといえばスタートから最初の3ハロンのことである。

展開(てんかい)

レースの流れ(ペース、出走馬の馬順)のことで、メンバーを見てこのレースは速くなる(遅くなる)とか、どの馬が逃げるなど分かるようになると勝ち馬の推理もしやすくなるし、楽しみも多くなる。本紙では特別レース(メインレースは展開図入り)はもちろんのこと、一般レースにおいても予想馬順とペース(S=スロー、M=ミドル、H=ハイ)を記し、展開を読む一助としている。

天神乗り(てんじんのり)

騎手の騎乗フォームのひとつで、鐙(あぶみ)を長くして上体を真っ直ぐ伸ばし、馬の背に垂直にまたがった乗り方である。モンキー乗りと対比して呼ばれることの多い乗り方で、騎手の体重が馬の背中に直接かかるので、馬の負担が大きくスピードが出にくいといわれ、現在は中央、地方を問わずほとんどの騎手がモンキー乗りで、天神乗りは見かけなくなった。天神乗りの長所は騎手の重心が安定しているため、馬を追うときの補助動作(ステッキを入れたり、手綱をしごいたりすること)がしやすいことである。

伝貧(でんぴん)

馬伝染性貧血の略語。この病気はウィルスによって起こる馬特有の法定伝染病である。症状は40度前後の高熱が出て、2~4日後には平熱に戻るが、また高熱が出るという状態を繰り返す。感染した馬は次第に貧血し衰弱していく。感染が判明すると法の定めにより安楽死の処置がとられる。日本中央競馬会では年2回全在厩馬を対象に検査(定期検査)を行い、また施設外から入厩する馬に対してはその都度検査(入厩検疫)を実施し、予防に当たっている。